生前対策2025.02.18最終更新: 2025.02.18

「もしものときに、家族が困らないようにしたい」「自分の想いをきちんと伝えておきたい」。そんな気持ちから、近年「エンディングノート」を書く方が増えています。

エンディングノートは、自分の人生の情報や希望を家族に伝えるためのノートです。法的拘束力はありませんが、残された家族にとっては非常に大切な道しるべになります。この記事では、エンディングノートに書くべき内容と、効果的な書き方のコツを詳しく解説します。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、万が一の際に備えて、自分の情報や希望を書き留めておくノートのことです。「終活ノート」と呼ばれることもあります。

エンディングノートの目的

エンディングノートの主な目的は以下の3つです。

  • 家族の負担を軽減する:葬儀の希望や各種契約の情報をまとめておくことで、家族が手続きに迷わずに済みます
  • 自分の意思を伝える:医療や介護に関する希望、家族へのメッセージなど、口では伝えにくいことを文字にして残せます
  • 人生を振り返る:これまでの人生を整理することで、残りの人生をより豊かに過ごすきっかけになります

いつ書き始めるべき?

エンディングノートに「早すぎる」ということはありません。元気なうちに書き始めることで、じっくりと内容を考え、何度でも書き直すことができます。病気になってからでは体力的にも精神的にも余裕がなくなることがあるため、50代・60代から準備を始める方も多くいらっしゃいます。

エンディングノートに書くべき内容

エンディングノートには決まったフォーマットはありませんが、以下の内容を記載しておくと家族の助けになります。

1. 自分の基本情報

  • 氏名、生年月日、本籍地、住所
  • マイナンバー、健康保険証番号、年金番号
  • 運転免許証番号、パスポート番号
  • 血液型、かかりつけ医の情報
  • アレルギーや持病の情報

2. 医療・介護に関する希望

  • 延命治療についての意思(希望する/希望しない)
  • 臓器提供の意思
  • 介護が必要になった場合の希望(在宅介護、施設入所など)
  • 認知症になった場合の対応方針
  • かかりつけ医や病院の情報

認知症への備えとしては、家族信託の活用も検討してみてください。

3. 葬儀・お墓に関する希望

  • 葬儀の規模(家族葬、一般葬、直葬など)
  • 宗教・宗派の希望
  • 遺影に使ってほしい写真
  • 葬儀に呼んでほしい人のリスト
  • お墓の希望(既存のお墓、新規購入、散骨、樹木葬など)
  • 葬儀社の指定や生前契約の有無

4. 連絡先リスト

  • 親族の連絡先一覧
  • 友人・知人の連絡先(葬儀の連絡をすべき人)
  • 勤務先や所属団体の連絡先
  • お世話になった方々のリスト

5. 財産に関する情報

  • 預貯金(金融機関名、支店名、口座番号)
  • 不動産(所在地、名義)
  • 有価証券(証券会社、銘柄)
  • 生命保険(保険会社名、証券番号、受取人)
  • ローンや借入金の情報
  • クレジットカードの情報
  • デジタル資産(ネット銀行、暗号資産など)

財産の情報を整理しておくことは、将来の相続手続きをスムーズに進めるためにも非常に重要です。

6. 各種契約・サービスの情報

  • 携帯電話の契約情報
  • インターネットプロバイダ
  • 各種サブスクリプションサービス
  • 公共料金の引き落とし口座
  • 会員制サービスの退会手続きに必要な情報

7. デジタル情報

  • パソコン・スマートフォンのパスワード
  • SNSアカウントの取り扱い希望
  • メールアカウント情報
  • クラウドストレージの情報
  • デジタル遺品の処理方針

8. 家族へのメッセージ

  • 配偶者、子ども、孫それぞれへの感謝の言葉
  • 伝えておきたい家族の歴史やエピソード
  • 大切にしてほしいこと、人生の教訓
  • ペットの世話に関するお願い

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書は混同されがちですが、大きな違いがあります。

法的拘束力の有無

最も重要な違いは法的拘束力です。遺言書は法律に定められた形式に従って作成すれば法的効力を持ちますが、エンディングノートには法的拘束力がありません。そのため、財産の分配について確実に実現したい場合は、遺言書を別途作成する必要があります。遺言書の書き方については「遺言書の書き方ガイド」で詳しく解説しています。

形式の自由度

遺言書は民法で定められた形式に従わなければ無効となりますが、エンディングノートは自由な形式で書くことができます。イラストを添えたり、写真を貼ったり、自分らしい表現で記すことができます。

両方を作成するのがベスト

財産分配については法的効力のある遺言書で定め、それ以外の希望や想いをエンディングノートに記す、という使い分けが理想的です。公正証書遺言について詳しく知りたい方は「公正証書遺言のメリット・デメリット」もご参照ください。

エンディングノートの書き方のコツ

エンディングノートをスムーズに書くためのコツをご紹介します。

書けるところから始める

すべてを一度に書こうとすると負担が大きくなります。まずは基本情報や連絡先リストなど、事実を書くだけの部分から始めましょう。医療や介護の希望、家族へのメッセージなど考える必要のある項目は、時間をかけてゆっくり書いていけば大丈夫です。

鉛筆で書く

エンディングノートは何度でも書き直すことが前提です。考えが変わったり、状況が変わったりすることは自然なことですので、鉛筆やフリクションペンなど消せる筆記具で書くことをおすすめします。

定期的に見直す

年に1回程度、内容を見直して更新しましょう。誕生日や年末年始などをきっかけに見直す習慣をつけると忘れにくくなります。特に財産や契約関係は変動しやすいため、最新の情報に保っておくことが大切です。

保管場所を家族に伝える

どれだけ丁寧にエンディングノートを書いても、家族がその存在を知らなければ意味がありません。保管場所を信頼できる家族に伝えておきましょう。ただし、パスワードなどの機密情報が含まれるため、誰でも見られる場所に置くのは避けてください。

市販のノートやアプリを活用

書店やインターネットでは、項目があらかじめ印刷されたエンディングノートが販売されています。何を書けばよいか迷う方は、こうした市販品を利用すると取り組みやすくなります。近年ではスマートフォンアプリも登場しており、デジタルで管理することもできます。

まとめ

エンディングノートは、自分の希望を家族に伝え、残される人の負担を軽減するための大切なツールです。法的拘束力はありませんが、遺言書と併用することで、より万全な備えになります。

当センターでは、エンディングノートの書き方から遺言書の作成、生前対策の全般まで幅広くサポートしております。何から始めてよいかわからないという方も、お気軽に無料相談をご利用ください。

免責事項 本記事は2025年3月時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスを行うものではありません。具体的なご相談は、専門家にお問い合わせください。
この記事の監修
株式会社 相続サポートセンター
税理士法人みらいを中心とした「みらいグループ」の一員。東京都西東京市に拠点を置き、相続手続き・遺言書作成支援・遺産整理業務を専門に、年間多数のご相談に対応しています。税理士・行政書士・社労士が連携し、税務・法務・労務をワンストップでサポートします。
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