基礎知識2025年3月20日最終更新: 2025.03.20

ご家族が亡くなった場合、悲しみの中でもさまざまな手続きを進める必要があります。相続手続きには期限が定められているものも多く、期限を過ぎると不利益を被る場合もあるため、全体の流れを事前に把握しておくことが大切です。

この記事では、相続手続きの全体像を時系列に沿って解説し、各ステップごとの期限や必要書類について詳しくご説明します。

相続手続きの全体像|9つのステップ

相続手続きは、大きく分けて以下の9つのステップに分かれます。それぞれに期限が設けられているものがあり、計画的に進めることが重要です。

ステップ1:死亡届の提出(7日以内)

ご家族が亡くなったら、まず死亡届を市区町村役場に提出します。死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に届け出る必要があります。届出は同居の親族、同居していない親族、同居者などが行えます。

死亡届を提出すると「火葬許可証」が交付されます。この死亡届の提出が、すべての相続手続きの起点となります。

必要書類:死亡届(死亡診断書または死体検案書の添付が必要)、届出人の本人確認書類

ステップ2:年金・健康保険の届出(14日以内)

被相続人(亡くなった方)が年金を受給していた場合は、年金事務所へ「受給権者死亡届」を提出します。国民年金の場合は死亡日から14日以内、厚生年金の場合は10日以内が期限です。届出が遅れると、年金の過払いが発生し、後日返還を求められることがあります。

また、国民健康保険や後期高齢者医療制度の資格喪失届も14日以内に提出が必要です。会社の健康保険の場合は、勤務先が手続きを行います。

ステップ3:銀行・金融機関への連絡

被相続人の口座がある銀行や金融機関に死亡の連絡をします。連絡を受けた金融機関は口座を凍結し、預金の引き出しや振込ができなくなります。口座凍結後の預金は、遺産分割協議が完了するまで原則として引き出せません。

ただし、2019年7月の法改正により、遺産分割前でも預貯金の一部を仮払いとして引き出せる制度が設けられました。葬儀費用や当面の生活費に充てることが可能です。

ステップ4:戸籍謄本の収集

相続人を確定するためには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になります。戸籍は本籍地の市区町村役場で取得しますが、転籍や婚姻により複数の自治体にまたがることも多く、収集に時間がかかるケースがあります。

2024年3月からは戸籍の広域交付制度が始まり、最寄りの市区町村窓口で他自治体の戸籍も請求できるようになりました。

必要書類:被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の現在の戸籍謄本

ステップ5:相続人の確定

収集した戸籍謄本に基づいて、法定相続人を確定します。法定相続人は民法で定められており、配偶者は常に相続人となり、子ども(第1順位)、父母(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)の順番で相続権があります。

養子や認知された子も相続人に含まれるため、戸籍を丁寧に確認することが重要です。相続人の確定は、その後のすべての手続きの基礎となります。

ステップ6:遺産(相続財産)の調査

被相続人が保有していた財産を漏れなく把握します。不動産、預貯金、有価証券、生命保険、自動車などのプラスの財産だけでなく、借入金やローンなどのマイナスの財産も含めて調査します。

不動産は固定資産税の納税通知書や名寄帳で確認し、預貯金は通帳や金融機関への残高証明書の請求で把握します。

ステップ7:相続放棄・限定承認の判断(3ヶ月以内)

相続の開始を知った日から3ヶ月以内に、単純承認・相続放棄・限定承認のいずれかを選択する必要があります。借金が多い場合は相続放棄を検討することも選択肢の一つです。

3ヶ月の期限内に判断が難しい場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てることもできます。

ステップ8:遺産分割協議・名義変更

相続人全員で遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作成します。協議が成立したら、不動産の相続登記や預貯金の名義変更手続きを進めます。

2024年4月から不動産の相続登記が義務化されており、3年以内に登記を行わないと過料の対象となります。

必要書類:遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、被相続人の戸籍謄本一式、不動産の登記事項証明書など

ステップ9:相続税の申告・納付(10ヶ月以内)

相続税の申告が必要な場合は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付を行います。基礎控除額を超える遺産がある場合に申告が必要となります。相続税の詳細については国税庁「相続税」のページもご参照ください。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用する場合も、期限内の申告が必要です。申告が遅れると延滞税や加算税が課される可能性があります。

相続手続きの期限一覧表

相続手続きの主な期限をまとめると、以下のようになります。

  • 7日以内:死亡届の提出
  • 14日以内:年金受給停止届、国民健康保険の資格喪失届
  • 3ヶ月以内:相続放棄・限定承認の申述
  • 4ヶ月以内:所得税の準確定申告
  • 10ヶ月以内:相続税の申告・納付
  • 3年以内:不動産の相続登記(2024年4月義務化)

準確定申告について(4ヶ月以内)

被相続人に確定申告が必要な所得があった場合、相続人は相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告を行う必要があります。不動産所得や事業所得があった方、給与収入が2,000万円を超えていた方などが対象です。

相続手続きを円滑に進めるためのポイント

早めの着手が大切

相続手続きは多岐にわたり、戸籍の収集だけでも数週間かかることがあります。期限に余裕を持って手続きを始めることをおすすめします。

遺言書の有無を確認する

遺言書がある場合は、遺産分割協議を行わず遺言書の内容に沿って手続きを進められるため、事前に有無を確認しましょう。公正証書遺言は公証役場で検索でき、法務局の遺言書保管制度を利用している場合は法務局で確認できます。

専門家への相談を検討する

相続手続きは法律、税金、不動産など多分野にわたるため、専門家のサポートを受けることで漏れなく手続きを進められます。当センターでは、相続に関するトータルサポートを提供しております。

まとめ

相続手続きは、死亡届の提出から相続税の申告まで、多くのステップと期限があります。期限を逃すと不利益を被る可能性もあるため、全体の流れを把握し、計画的に進めることが大切です。

手続きについて不安がある方は、ぜひ無料相談をご利用ください。経験豊富なスタッフがお一人おひとりの状況に合わせて丁寧にサポートいたします。

また、相続に関するよくあるご質問はFAQページにまとめておりますので、あわせてご参照ください。

当センターの実績 当センターでは、お父様を亡くされた60代のご兄弟3名のケースで、戸籍収集から遺産分割協議書の作成、銀行5行の解約手続き、不動産の名義変更まで、約3ヶ月で全手続きを完了しました。
免責事項 本記事は2025年3月時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスを行うものではありません。具体的なご相談は、専門家にお問い合わせください。
この記事の監修
株式会社 相続サポートセンター
税理士法人みらいを中心とした「みらいグループ」の一員。東京都西東京市に拠点を置き、相続手続き・遺言書作成支援・遺産整理業務を専門に、年間多数のご相談に対応しています。税理士・行政書士・社労士が連携し、税務・法務・労務をワンストップでサポートします。
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