不動産2025年2月8日最終更新: 2025.02.08

2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。不動産を相続した場合、相続を知った日から3年以内に登記を行わなければ、過料が科される可能性があります。しかし、相続登記には多くの書類が必要で、何を準備すればよいのか分からないという声も多く聞かれます。本記事では、相続登記に必要な書類を一覧形式で解説し、取得場所や費用についてもご案内します。

相続登記に必要な書類一覧

相続登記に必要な書類は、相続の方法(遺言による相続、遺産分割協議による相続、法定相続分による相続)によって異なります。ここでは、最も一般的な遺産分割協議による相続登記に必要な書類をご紹介します。

1. 登記申請書

法務局に提出する登記申請書です。法務局のウェブサイトからひな形をダウンロードすることができます。不動産の所在地、地番、地目、地積(土地の場合)や、所在地、家屋番号、種類、構造、床面積(建物の場合)を正確に記載する必要があります。記載内容は、登記事項証明書(登記簿謄本)の内容と一致していなければなりません。

2. 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までのすべての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍を取得する必要があります。これにより、法定相続人が誰であるかを証明します。本籍地が転籍などにより複数の市区町村にまたがっている場合は、それぞれの自治体から取得しなければなりません。

取得場所は、被相続人の本籍地の市区町村役場です。費用は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・改製原戸籍が1通750円です。なお、2024年3月1日からは、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍謄本等を取得できる「広域交付制度」が開始されています。

3. 被相続人の住民票の除票(本籍地入り)

被相続人の最後の住所を証明するための書類です。登記記録上の所有者と被相続人が同一人物であることを確認するために必要です。取得場所は、被相続人の最後の住所地の市区町村役場で、費用は1通200円から400円程度です。

4. 相続人全員の現在の戸籍謄本

法定相続人全員が現在も生存していることを証明するための戸籍謄本です。取得場所は各相続人の本籍地の市区町村役場で、費用は1通450円です。被相続人の死亡日以降に取得したものが必要です。

5. 遺産分割協議書

相続人全員で遺産の分け方を話し合った結果をまとめた書類です。不動産を特定の相続人が取得する場合に必要となります。遺産分割協議書には、不動産の表示(登記事項証明書と同じ内容)を正確に記載し、相続人全員が署名・実印を押印します。

6. 相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書に押印した印鑑が実印であることを証明する書類です。取得場所は各相続人の住所地の市区町村役場で、費用は1通200円から400円程度です。発行から3ヶ月以内のものを求められる場合が多いですが、登記申請においては有効期限の定めはありません。

7. 不動産を取得する相続人の住民票

登記記録に新所有者の住所を記載するために必要です。取得場所は住所地の市区町村役場で、費用は1通200円から400円程度です。

8. 固定資産評価証明書

登録免許税の計算の基礎となる書類です。固定資産税の課税明細書(毎年春に届く納税通知書に同封)でも代用できる場合があります。取得場所は不動産所在地の市区町村役場(東京23区の場合は都税事務所)で、費用は1通200円から400円程度です。

書類取得のチェックリスト

以下のチェックリストを活用して、必要書類の準備状況を確認しましょう。

  • 登記申請書の作成
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式
  • 被相続人の住民票の除票(本籍地入り)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印済み)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書(または課税明細書)
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)※申請前の確認用
  • 相続関係説明図(戸籍の原本還付を受ける場合)

登録免許税について

相続登記を申請する際には、登録免許税を納付する必要があります。税額は、固定資産評価額の0.4%です。たとえば、評価額が2,000万円の不動産であれば、登録免許税は8万円となります。

免税措置

一定の条件を満たす場合には、登録免許税が免税される措置があります。たとえば、相続によって土地を取得した方が登記をしないまま亡くなった場合(数次相続)、中間の相続登記については登録免許税が免税されます。また、不動産の価額が100万円以下の土地については、相続登記の登録免許税が免税される特例もあります。

遺言書がある場合の必要書類

遺言書がある場合は、遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書は不要となり、代わりに遺言書を提出します。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所の検認済証明書も必要です。ただし、法務局の遺言書保管制度を利用していた場合は検認は不要です。遺言書の作成方法についても、あわせてご確認ください。

法定相続分による相続登記の場合

法定相続分どおりに相続登記を行う場合は、遺産分割協議書は不要です。ただし、相続人のうち1人が単独で申請することも可能ですが、他の相続人の持分も含めて登記されるため、後々トラブルになる可能性があります。相続手続きの全体的な流れを把握したうえで、慎重に進めましょう。

相続登記を専門家に依頼する場合

相続登記は自分で行うことも可能ですが、必要書類の収集や申請書の作成は専門的な知識が求められます。特に、被相続人の戸籍が複数の市区町村にまたがるケースや、相続人が多数いるケースでは、手続きが複雑になりがちです。

司法書士に依頼した場合の費用は、一般的に5万円から15万円程度(登録免許税は別途)が目安となります。不動産の名義変更の手続きについて詳しく知りたい方は、あわせてご確認ください。

相続登記の義務化により、正当な理由なく申請を怠った場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。早めの準備と対応が重要です。書類の準備でお困りの際は、お気軽に当センターまでご相談ください。

免責事項 本記事は2025年3月時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスを行うものではありません。具体的なご相談は、専門家にお問い合わせください。
この記事の監修
株式会社 相続サポートセンター
税理士法人みらいを中心とした「みらいグループ」の一員。東京都西東京市に拠点を置き、相続手続き・遺言書作成支援・遺産整理業務を専門に、年間多数のご相談に対応しています。税理士・行政書士・社労士が連携し、税務・法務・労務をワンストップでサポートします。
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