相続税2025年3月15日最終更新: 2025.03.15

相続が発生した際、多くの方が気になるのが「相続税はかかるのか?」という点ではないでしょうか。相続税には「基礎控除」という非課税枠があり、遺産の総額がこの基礎控除額以下であれば、相続税は課税されず申告も不要です。

この記事では、相続税の基礎控除の仕組みや計算方法を、具体的な計算例を交えてわかりやすく解説します。

相続税の基礎控除とは

基礎控除とは、相続税が課税されない金額の範囲のことです。遺産の総額が基礎控除額を超えなければ、相続税はかかりません。基礎控除額は以下の計算式で求められます。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

この計算式は2015年(平成27年)1月1日以降の相続に適用されています。2014年以前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でしたが、改正により大幅に引き下げられました。この改正により、相続税の課税対象者が約2倍に増加しました。

法定相続人の数え方

基礎控除額の計算において重要なのが、法定相続人の数です。法定相続人のカウントにはいくつかのルールがあります。

法定相続人の範囲

法定相続人は民法で定められており、以下のように順位が決まっています。

  • 配偶者:常に相続人となります
  • 第1順位:子ども(子どもが先に死亡している場合は孫が代襲相続)
  • 第2順位:父母(父母が先に死亡している場合は祖父母)
  • 第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に死亡している場合は甥姪が代襲相続)

上位の順位の相続人がいる場合、下位の順位の方は相続人にはなりません。

養子がいる場合の注意点

法定相続人の数に算入できる養子の数には制限があります。

  • 実子がいる場合:養子は1人まで算入可能
  • 実子がいない場合:養子は2人まで算入可能

ただし、特別養子縁組による養子や配偶者の連れ子を養子にした場合は、実子として扱われます。

相続放棄した人がいる場合

相続放棄をした人がいても、基礎控除の計算上は法定相続人の数に含めます。これは、基礎控除の計算が相続放棄の有無にかかわらず、本来の法定相続人の数で行われるためです。

基礎控除額の計算例

具体的なケースで基礎控除額を計算してみましょう。

ケース1:配偶者と子ども2人の場合

法定相続人:配偶者1人+子ども2人=合計3人

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

遺産の総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。

ケース2:配偶者と子ども1人の場合

法定相続人:配偶者1人+子ども1人=合計2人

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円

遺産の総額が4,200万円以下であれば、相続税はかかりません。

ケース3:子ども3人のみの場合(配偶者なし)

法定相続人:子ども3人=合計3人

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

ケース4:配偶者のみの場合

法定相続人:配偶者1人=合計1人

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 1人 = 3,600万円

相続税がかかる人の割合

国税庁の統計によると、2023年に亡くなった方のうち、相続税の申告が必要だった方は全体の約9.9%です。つまり、約10人に1人が相続税の課税対象となっています。

2014年までは約4.4%でしたが、2015年の基礎控除引き下げ以降、課税対象者の割合は大幅に増加しました。特に、自宅の不動産を含む遺産がある場合は、基礎控除を超えるケースが増えています。

基礎控除を超えた場合の相続税の計算

遺産の総額が基礎控除額を超えた場合、超えた部分に対して相続税が課税されます。相続税の計算は以下の流れで行います。

ステップ1:課税遺産総額の算出

課税遺産総額=遺産の総額−基礎控除額

ステップ2:各相続人の法定相続分に応じた取得金額の算出

課税遺産総額を各相続人が法定相続分で取得したものとして、各人の取得金額を計算します。

ステップ3:税率の適用

各人の取得金額に対して、相続税の税率を適用します。税率は取得金額に応じて10%〜55%の累進税率が適用されます。税率の詳細は国税庁「相続税の計算」のページでも確認できます。

  • 1,000万円以下:税率10%(控除額なし)
  • 3,000万円以下:税率15%(控除額50万円)
  • 5,000万円以下:税率20%(控除額200万円)
  • 1億円以下:税率30%(控除額700万円)
  • 2億円以下:税率40%(控除額1,700万円)
  • 3億円以下:税率45%(控除額2,700万円)
  • 6億円以下:税率50%(控除額4,200万円)
  • 6億円超:税率55%(控除額7,200万円)

基礎控除以外の控除・特例

相続税には基礎控除以外にも、税負担を軽減するさまざまな控除や特例があります。

配偶者の税額軽減

配偶者が相続する遺産については、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません。これは非常に大きな軽減措置です。

小規模宅地等の特例

被相続人が住んでいた自宅の土地については、一定の要件を満たせば評価額を最大80%減額できる特例があります。この特例を適用するには、期限内の申告が必要です。

未成年者控除・障害者控除

未成年の相続人や障害のある相続人には、それぞれ税額控除が適用されます。

相続税の申告期限

相続税の申告と納付は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。期限を過ぎると延滞税や加算税が課されるため、早めの準備が大切です。相続手続きの全体の流れを把握し、計画的に進めましょう。

まとめ

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。遺産の総額がこの基礎控除額を超えなければ、相続税はかからず申告も不要です。

ただし、不動産を含む遺産がある場合は基礎控除を超えるケースも珍しくありません。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、活用できる制度もありますので、まずはご自身のケースでどの程度の相続税がかかるかを確認することが重要です。

相続税の計算や申告についてご不明な点がある方は、ぜひ無料相談をご利用ください。当センターでは相続に関する幅広いサービスを提供しております。また、よくあるご質問ページもご参照ください。

当センターの実績 みらいグループの税理士法人みらいでは、相続税申告を年間多数お手伝いしています。基礎控除内に収まるかどうかの判断に迷われた場合も、無料相談で概算をお伝えしています。
免責事項 本記事は2025年3月時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスを行うものではありません。具体的なご相談は、専門家にお問い合わせください。
この記事の監修
株式会社 相続サポートセンター
税理士法人みらいを中心とした「みらいグループ」の一員。東京都西東京市に拠点を置き、相続手続き・遺言書作成支援・遺産整理業務を専門に、年間多数のご相談に対応しています。税理士・行政書士・社労士が連携し、税務・法務・労務をワンストップでサポートします。
無料相談はこちら →

相続のことでお悩みですか?

専門スタッフが丁寧にお答えします。

お気軽にお電話ください

無料相談のお申し込み